当ブログでは皆様の映画選びの一助になる情報と感想をお届けしております。
この記事を読めば、あなたもきっとこの映画を何度も観たくなります。
是非最後までお付き合いください。
では、行きましょう!
●映画『デッドプール&ウルヴァリン』の作品概要
●映画『デッドプール&ウルヴァリン』のおもしろさ
●映画『デッドプール&ウルヴァリン』の解説
●映画『デッドプール&ウルヴァリン』の楽しみ方
●映画『デッドプール&ウルヴァリン』の推しポイント!
●映画『デッドプール&ウルヴァリン』の惜しい点
<おススメ度>
本作はデッドプールとウルヴァリンという2大ヒーローの掛け合いとアクションを楽しむ、お祭り映画になっていて、とても楽しめます。
不謹慎キャラが大暴れするR-15作品ですが、基本はコメディです。デップーのお喋りは面白いですし、アクションもアガります。さらにサプライズ演出も用意されています。
但し、メタな業界裏事情が作品の背景になっていて、コアなファンムービーという側面もあります。
どんな映画なの?
人気キャラが一堂に会す作品として話題の一作だね
映画『デッドプール&ウルヴァリン』の概要
2024年に唯一公開されるMCU作品として、公開前から話題になっていた本作。日本は世界最速公開で、珍しく夏休みシーズンの水曜日から劇場上映が始まりました。
アメコミヒーローが活躍する人気アクション&コメディ映画『デッドプール』シリーズの第3弾。監督は前作のデヴィッド・リーチから『フリー・ガイ』などのショーン・レヴィへと交代。主演は引き続きライアン・レイノルズが務めています。ウルヴァリン役は旧シリーズでも演じていたヒュー・ジャックマン。上映時間は128分。レイティングはR-15+。
今回は上映時間の関係もあって吹替版で観ました。デップーはやたらに喋るので、初回に観るのは吹替版がおすすめです。
場面展開が早いので、字幕だと読み切れない可能性があります。
一般の評判はいいの?
とても人気が高く、絶賛評が多いね
映画『デッドプール&ウルヴァリン』の評判
本作の評価は、米ロッテントマトでトマトメーター 79%、オーディエンススコア 96%。
Filmarks 4.2p、映画COM 3.7p。といった感じ。
評判はかなり良いです。絶賛評が多く、ファンは大いに楽しんでいるみたいです。
興行収入はいいみたいです。
本国のオープニング興収は今年公開作品の中で最高。歴代でも6位という大ヒット。R指定作品としても、史上最高のオープニング成績を残しています。
なんと早々に制作費は、ほぼ回収出来たようです。
映画『デッドプール&ウルヴァリン』のざっくりあらすじです
映画『デッドプール&ウルヴァリン』のあらすじ
デッドプールはTVA(時間変異取締局)に連れて行かれ、エージェントであるパラドックスから、自分のユニバースが消滅される計画であることを聞く。
彼は自分の世界と仲間を救うために、別のバースにいるウルヴァリンに助けを求める。しかし、そのウルヴァリンは全バースのウルヴァリン中で最もダメなしくじりウルヴァリンだった。
TVAによって、各バースのトラブルメーカーが追放される“時の果て”である「虚無空間」にとばされた2人は、その世界の支配者であるチャールズ(プロフェッサーX)の双子の妹、カサンドラ・ノヴァと対立する。
ユニバースを救うためにTVAに戻ろうと考えたデッドプールは、虚無空間にいた訳ありヒーローたちと手を組み、カサンドラ・ノヴァ軍団と戦うのだが。
という感じの筋書きです。
色々絡まっている内容なので、簡単にまとめるのは難しい作品です。ネタバレしないと語れないタイプの作品なので、ここからはある程度ネタバレありで書きますので、ご注意ください。
予習復習した方が楽しめるのかな?
デッドプールの過去作を予習復習するだけで100%楽しむのは無理、というレベルだと思うよ
鑑賞前に予習は必要?
公開前は情報が出されず、かなり秘密にされていました。
筆者は予習も復習も無しで観ました。配信の「ロキ」シリーズもまだ観ていません。
監督は「予習はいらない」と言っていましたが、その意味は「予習は無理」ということだと思いました。
デッドプールの1&2を観ていれば大丈夫とかいうレベルではなく、制作会社のゴタゴタの知識があるかや、サプライズで出てくるキャラの作品をリアルタイムで観ていたかどうかが、本作を楽しむ上で重要なファクターとなっています。
どんな内容なの?
ストーリーで推進する映画ではなく、とにかくメタないじりギャグが満載の作品だね
映画『デッドプール&ウルヴァリン』の特徴
「ヒーローとはなんぞや」をテーマに、デッドプールらしいメタいじりが満載の楽しい作品に仕上がっていました。第四の壁もしっかり超えてきます。サプライズも沢山あります。
オープニングアクションは最高でしたし、車内アクションも新鮮で楽しめました。
やはりスターキャラの共闘はアガります。クライマックスもアガりました。
仲の悪い2人がバディを組むロードムービーとなっています。その中で上手くいっていないヒーローたちのいわゆる「中年の危機」からの脱出が描かれます。
そして使い捨てられたキャラクターたちがもう一度ヒーローを目指すというストーリーを絡ませて、過去の作品を供養するという映画にもなっています。
筆者はX-MENシリーズについては知識が切れ切れでよく覚えていません。デッドプールシリーズも面白かったのは記憶にありますが、ストーリーや細かいことはよく覚えていません。
何も予習しなくても楽しめますが、とにかくメタネタが多い作品なので、知識が豊富な程楽しめます。
本作ではディズニーとMCUとフォックスの各会社の“事情”と作品をいじり倒しています。各会社の状態や過去にどんな作品を誰が主演でやっていたのか、そこを知っておかないと存分には笑えません。例えば、虚無空間でデップーの後ろにある瓦礫が何であるのか、裏事情を知っていないと意味は分からないと思います。
因みに筆者は“何となく”知っていた程度ですが、かなり楽しめました。
ただお蔵入りしていた企画の主役が出てきますが、何で出てきたのか分かりませんでした。小ネタも散りばめられていますが、筆者にはあまり分かっていないと思います。
何となくストーリーはありますが、そこまでのものではありません。あくまでもデップーらしい“いじり”やR-15のグロアクションを楽しむ作品です。
メタないじりってどういうこと?
マーベルと20世紀フォックスの買収ネタが絡んでるんだ
映画『デッドプール&ウルヴァリン』で描かれるメタ事情
マーベル映画には、MCU、20世紀フォックス版、ソニー版などが混在していましたが、2019年に20世紀フォックスがディズニーに買収されるという“事件”が起こり、それによってフォックスが持っていたX-MENやファンタスティック4、デッドプールなどの特定フランチャイズの映画化権がディズニーの手中になったという“事情”があります。
本作では、その“事情”をベースにマルチバースや第4の壁の突破で茶化し、いじり倒して、楽しませてくれます。
なので、この“事情”を知っていることは本作を楽しむ上でとても重要です。さらにサプライズ演出もあります。つまり本作は、極端にいうと「一見さんもニ見さんもお断り」の作品といえます。
じゃあ、全く知識や情報が無いと楽しめないかというと、そんなことはありません。特定の知識がなくてもちゃんと面白いです。でも“知っている”ことが本作の面白味を何倍にもしてくれることは間違いありません。そういう作りになっている作品です。
デップーがトレーラーで「俺ちゃんがMCUを救う神」って言ってたけどどういう意味?
マーベルが不調の時にフォックス作品が助ける形になってる、ということのメタ表現なんだ
映画『デッドプール&ウルヴァリン』が生まれるまでのマーベルとフォックスの歴史
マーベルはかつてコミックでマルチバース展開で失敗し、経営が厳しくなった際に、映画化権を分割販売します。この時にフォックスは「X-MEN」などの権利を買い取り、ソニーは「スパイダーマン」の権利を買います。
フォックスは『X-MEN』(2000年)から2006年までに、X-MENシリーズを3作製作しました。
『デッドプール』はX-MENのバリエーションの1つなので、フォックスでこれまで映画2作が製作されました。
一方マーベルは、2008年から『アイアンマン』を起点に「MCU」をスタートさせ、シリーズ作品は大人気となります。
しかし2009年になると、マーベル = MCUはディズニーの傘下となります。
これまでX-MENやデッドプールは20世紀フォックス、MCUはディズニーと権利を持つ会社が違うため、映画ではクロスすることはありませんでした。しかし2019年に20世紀フォックスがディズニー傘下になった為に、X-MENの映画化権がマーベルに戻り、MCUとしてX-MEN映画が作れるようになりました。
デッドプール映画に関しては、前作までは20世紀フォックス映画で製作されましたが、本作からディズニー主導の下で製作され、MCUに組み込まれることになりました。
最近のMCUはというと、マルチバースを大々的に導入した「フェーズ4」になって人気がガタ落ちになりました。
かつてコミックでマルチバースを展開して不振に陥ったマーベルは、フォックスに権利を買ってもらって助けてもらいました。そして映画でもまたマルチバースをやって不振に陥り、ディズニーの買収によって、再びフォックス作品に助けてもらう形となりました。
デップーが「俺ちゃんがMCUを救う神」と言っているのは、こういう背景のメタ表現なのです。
デップーがアベンジャーズの面接に行くというシークエンスがあります。
これは買収されたフォックスのキャラであるデップーが、MCUのアベンジャーズで映画に出してくださいというメタシーンです。でも「君は一軍じゃないからダメ」と断られます。だけどそのデップーがMCUを救うという流れになります。
『アイアンマン』の監督で、MCUに出演もしているジョン・ファブローが面接官役なのも、なるほどなキャスティングです。
アンカーとか虚無空間とか、よくわからない言葉がでてくるね
これもメタな表現なんだよ
映画『デッドプール&ウルヴァリン』をさらに深読みしてみよう
序盤でTVAに連れてこられたデップーは、パラドックスに「(デップーがいるユニバースは)アンカーであるローガンが死んだので収縮してやがて消滅する。でも私は消滅するのをゆっくりと眺めている気はない。間もなく消滅させてやる」というようなことを言われます。
これを深読みしていくと、“ユニバース”というのは映画会社が持つマーベル作品群の世界。
デップーのユニバースとは「フォックス版マーベル作品」ということになります。
“アンカー”はその作品群の最終走者(最後の作品)です。
つまり、「20世紀フォックスは、作品群の中で一番のスターであるウルヴァリン(ローガン)を殺してしまったので、もうこのユニバースには(デップーも含めて)用がない。だから消滅させてしまおう」ということです。
パラドックスやTVAは“ディズニー”のメタファーです。彼は“神聖時間軸”を守ることを最も重要視しています。この神聖時間軸とは“MCU”のことです。
ここでデップーはパラドックスに「新たなシリーズを神聖時間軸(MCU)で始めないか」と誘われますが、これを断ります。
それによって、デップー(とウルヴァリン)は虚無空間に送られてしまいます。“虚無”はキャラクターの捨て場。いらない作品やキャラクターはそこに送られてしまうのです。
サプライズも含めて、いろんなキャラクターがでてくるんだね
俳優陣も豪華で楽しいよ!フォックス時代のマーベルヒーロー映画を観てきた人には涙ものだね
映画『デッドプール&ウルヴァリン』にでてくるキャラクターなど
虚無空間を支配しているカサンドラ・ノヴァの手下が歴代のX-MEN映画のヴィランたちで、デッドプールとウルヴァリンが出会うヒーローたちが、フォックス時代のマーベル映画のヒーローたちという構図になっています。
虚無空間のヒーローとして登場するのは、『デアデビル』や『エレクトラ』の“エレクトラ”、『ブレイド』シリーズの“ブレイド”、『LOGAN/ローガン』の“ローラ/X-23”、そしてチャニング・テイタム扮する“ガンビット”です。
因みに『デアデビル』にはジョン・ファヴローも出演していたそうです。
筆者はガンビットは知りません。なんでチャニングがいるのかも分かりませんでした。
実はガンビットが主人公のX-MENのスピンオフ映画が、チャニング主演で作られるはずだったのに、残念ながらお蔵入りしていたらしいです。そのキャラが本作で登場したという訳です。
エレクトラもブレイドもローラもガンビットも、当時と同じ役者が演じているのはエモいと思いました。ローラなんか成長しちゃってるし。
クリス・エヴァンスも出てきます。デップーは最初キャプテン・アメリカだと思い込んでいますが、その掛け声は「アッセンブル!」ではなく、実はフォックス版の『ファンタスティック・フォー』のヒューマン・トーチだったというギャグでした。
因みに吹替版はキャップではなくて、ちゃんと当時のヒューマン・トーチの声優さんが演じています。こういうところを徹底するのは凄く良いですね。
色んなユニバースのデッドプール軍団が出てきますが、その先頭に立っていたレディ・デッドプールの声はライアン・レイノルズの妻であるブレイク・ライヴリーが演じています。夫婦共演です。
因みに、日本語吹替えを担当した朴璐美は、ウルヴァリン担当の山路和弘の妻です。
デップーがいろんなユニバースへ行き、ウルヴァリン探しをします。これはコミックに出てきた様々なウルヴァリンのヴァージョンを映像化したのだそうです。
その中に小さいウルヴァリンが出てきますが、これが原作の本来のサイズなんだそうです。
本作で活躍するウルヴァリンは、黄色いコスチュームを着ています。これはコミックに登場するスーツを再現しています。フォックス版の映画では、違うスーツを着用していたので、コミックファンにとっては「これぞウルヴァリン」とアガったに違いありません。
他にも『マッドマックス フュリオサ』、『ミニオン』、『バットマン』、『グレイテストショーマン』などもいじってました。
ヘンリー・カヴィルもカメオ出演していました。彼もスーパーマン役でのゴタゴタに巻き込まれてます。
筆者が気付かなかったネタも、他に一杯隠れてると思います。そういうのを探すのも、ファンの楽しみ方のひとつですね。
忘れ去られた過去のヒーローを出すことで、ディズニー+の配信再生が伸びることも期待できます。ストーリー云々だけじゃなく、当然商売的な点も考えての戦略です。ん? キャラを“救う”ってそういうこと?
ソニーについてはいじりはなかったです。それらしい写真は出てきますがトム・ホランドの顔は隠してありました。この辺は大人の事情なんでしょう。
本作で良かったところは?
オープニングアクションとエンドロールだね
映画『デッドプール&ウルヴァリン』の良かったポイント
デップーが様々なものに対して、いじり倒す様はやはり痛快です。このシリーズならではです。
オープニングシークエンスの不謹慎アクションは最高でした。
ディズニーにしては、ゴア描写やいじりなどかなり頑張ってたと思います。
ただ作品としてはディズニーというより、レヴィ監督とライアン・レイノルズの2人の頑張りだと感じました。ディズニーはよくこれを認めたなと思います。
キャラクターでは、カサンドラ・ノヴァが良かったです。ヴィランらしい雰囲気、最強レベルのパワーや頭グリグリの能力表現が好きでした。コートを着た出で立ちも素敵でしたし、容姿もきれいでした。
せっかく強いんだからクライマックスはアクションで盛り上げてほしかったですね。最期は砕け散ってしまいましたが、またどこかに出てきて欲しいです。
曲の使い方は良かったです。懐かしい曲が多くて、ジェームズ・ガンっぽかったですね。
主題歌はマドンナの「Like a Prayer」(1989年)。
ホンダ オデッセイ(カナダで生産された北米市場向けの大型のオデッセイ=日本名 ラグレイト)に乗って、ウルヴァリンとデップーが旅立つシーンでは、“カナダいじり”をしながらアヴリル・ラヴィーンの「I’m with You」(2002年)が流れました。
エンドロールでは、過去作品のメイキング映像が流れます。若き日の俳優たちや制作現場。これはエモかった。特に公開当時にリアルタイムで観た人には、たまらないものがあります。
惜しかったところもあるの?
パッと見は楽しいんだけど、特殊な作りの作品なので残念はところはそれなりにあったよ
映画『デッドプール&ウルヴァリン』の残念ポイントを羅列
色んなバースのウルヴァリンを探す行は楽しいですが、どこかで見たことある感じです。新鮮さが感じられません。クライマックスアクションも見たことがある感じでした。
デップー&ウルヴァリンVSデッドプール軍団のアクションは横スクロールによる表現で、「おっ!」と思いましたが、2人共刺して切るしか動きがないので、割と単調に見えました。
ゴア描写も血しぶきは飛ぶものの、バスで隠されるなどしていてそこまででもありませんでした。結局みんな不死身でしたし。何だったんだ今の時間は?というオチなんですが。ホントにそんな感じ。
ナイスプールをデップーが盾にしていたシーンは、正直ちょっと引きました。ギャグなんだけど、命を粗末にする感じは好きじゃないなぁ。
デップーが守ろうとしている(デップーのユニバースの)ファミリーは、パーティーしてるだけで全く活躍しないのもなんだかなぁという感じでした。
MCU映画のはずですが、内容はフォックスの話が中心です。停滞気味のMCUについては、何も展開が進んでいません。
考えてみると、デップーが映画会社のゴタゴタの処理に上手く使われてしまった感じはあります。
外野からのいじりだから面白かったのに、内部に入ってしまいましたからね。本来持っていたデップーの自由に笑い飛ばす雰囲気がスポイルされているんじゃないかという気はします。もっともっと笑い飛ばしてリセット出来たはずとも思います。
カサンドラ・ノヴァ軍団と戦うために、ヒーローたちが根城に乗り込み、オデッセイから出てきます。カッいいシーンです。さらにバックドアを開けて、トランクからウルヴァリンが出てきます。ん? そんな狭いとこに隠れてたの?
う〜ん、もっとエモくできなかったのかなぁ。ヒーローたちのピンチに駆けつけるとか、いくらでも演出できるんじゃないかな。なんかもったいないです。
オデッセイの車内でのアクションは、2人のイチャイチャ、ラブシーンですね。お互いに股間にばかり刺してましたからね。あれはまるでカーセックスです。
二人共不死身ですからね。いくら戦っても殺し合いにならないので、緊迫感がありません。ま、面白かったんだけど。
ストーリー自体は無いも等しいです。話が行ったり来たりでごちゃごちゃしていて、何をしてるのか分からない所が多いです。
ストーリーが無いので、アクションに必要性や意味がありません。ダラダラと雑さを感じました。特に前半は冗長に感じました。
デップーもやたらに喋ってますが、あまり意味がある内容ではありません。
散々いじってますが、最後は結局いじっているネタに帰着します。それもなんだかなぁ。
本来なら虚無空間にいたヒーローたちがカサンドラ・ノヴァと共に、真のヴィランであるパラドックスを倒す話にすべきではなかったのか、と思います。そっちの方が解りやすくて、盛り上がると思いますが。
虚無空間にいたヒーローたちが、なぜノヴァ軍団に立ち向かうことになったのかよく分かりませんでした。デップーたちとなんやかんや喋ってるうちに、何となく戦いに行くみたいな流れになってましたけど。全くエモさが無かったですね。
アクションでは、ウルヴァリンとローラの共闘シーンがないのももったいなかったです。これ絶対必要なシーンでしょう。
ウルヴァリンとデップーの共闘シーンはありましたが、別々に戦っているだけでミックス技とかなかったように感じました。これも残念です。
ウルヴァリンの爪の使い方も、刺して裂いてばっかりで割と単調。五右衛門の“斬鉄剣”ばりに、とんでもない物を切るようなアクションがほしかったです。
マルチバースを否定してるように見えて、また旧キャラのサプライズ演出をやってます。
そのカメオ出演もパンチがありません。あの面々はかなりニッチです。よほどコアなファンじゃないと、グッと来ないでしょう。
作中で「マルチバースは失敗だ」とはっきり言ってるのに、デップー対デップーのシークエンスは、いかにもマルチバースの成せる技です。
旧キャラの卒業式とも受け取れます。最後の花道みたいな。若しくはキャラの弔い?
でも各キャラの掘り下げはありません。過去作のヒーローたちはただ出てきて、ちょっと戦闘で見せ場があるものの、キャラの深堀りがされることもなく怪物(アライオス)に喰われて終わり?です。かなり残念な気がします。
本作のテーマは、キャラクターを使い捨てて来たことに対する反省なのかと思いましたが、出てきたキャラは本作の中では結局使い捨てみたいな扱いなんですよね。
ヒューマン・トーチもせっかく出てきたんだから、もっと活躍してもらいたかったです。ギャグに消化されちゃったのはもったいなかったです。
エンドシークエンスのテーブルにはローラがいました。なぜ彼女がいたのか分かりません。あのローラは、虚無空間にいたローラ?それとも別のユニバースのローラ?
ウルヴァリンにしても、我々が知っているあのローガンではありません。そっくりな別人です。キャラに対する感情移入の持っていき場が難しいと感じました。
ポスクレは、ヒューマン・トーチが罵詈雑言を吐いていて殺られたのは自業自得だった、というオチでしたが、これはあまり気持のいいものではありません。最後の最後にヒューマン・トーチを貶めても意味がありません。なんでわざわざあれにしたのかな?他にいくらでもアイデアはあっただろうに。
私は『ブレイド』シリーズ好きでした。あの頃ヴァンパイア映画が流行りましたよね。
好きなキャラが出てくるのは歓迎なのですが、忘れ去られたキャラとして扱われるのには抵抗があります。救済対象で汚点みたいになっているのには疑問詞が付きます。いや、私まだブレイド好きだし。
他にも感じたことはある?
やっぱりヒュー・ジャックマンはスターだなってことだね
その他思ったこと
デッドプールとウルヴァリンの卒業式でもあるのかなという雰囲気もあります。
でも(私の聞き違いかもしれませんが)エンドロールの一番最後に一節かかった曲がアベンジャーズのテーマだったので、デップーもアベンジャーズに入れたということなのかな? という意味なのかなと思いました。
デッドプールよりも、なんだかんだローガンの話が多いなぁ。本作のデップーは狂言回しっぽいかな。
やっぱりウルヴァリンは特別なんだなぁと思います。でも本作はそのウルヴァリンより、「ヒュー・ジャックマンの映画」という感じです。ヒュー無しでは成り立たない映画。デッドプールじゃなくて、ヒュー・ジャックマンがMCUを救うみたいな。
よく分からなかったところ
なぜデッドプール同士が戦っていたのでしょう?私には分かりませんでした。
犬のデッドプール(ドッグプール)が出てきますが、あの辺のギャグはよく分かりませんでした。
なぜ マッドマックス? なのか分かりません。フォックスではないですよね。
でも無意味だけに、これがデップーらしい自由ないじりともいえますが。
カサンドラ・ノヴァがジャイアントマン(アントマン)の死体を根城にしている意味は分かりませんでした。
では本作の推しポイントのまとめです!
映画『デッドプール&ウルヴァリン』を楽しむポイントまとめ
本作はマルチバースの不人気で不振に陥ったMCUとその親会社であるディズニーをいじり倒すコメディであり、フォックス時代のマーベル映画へ愛を捧げている作品です。
同時にデッドプールとウルヴァリンという2大ヒーローの掛け合いとアクションを楽しむ、お祭り映画になっています。
デップーは仲間を救って自分も救われます。一方映画では、忘れられたヒーローを復活させて、フォックス時代のファンを救われた気分にしてくれます。
今回からディズニー作品となりましたが、不謹慎キャラが大暴れするR-15作品で、ゴア描写も下ネタもしっかりやってます。
いつも通りデップーのお喋りは面白いですし、アクションも楽しいです。
何も知らなくても楽しめますが、万人向けかと言われればカッコ付きになります。内容はというと完全な裏事情映画になっていて、コアなファンムービーという側面が大きいです。本作を完全に楽しむには、思い入れと知識量が必要になります。ある意味、高度な映画です。
ストーリーはあってないようなものですし、意味が分からない所も多いです。救済キャラの扱いにも疑問が残ります。
本来は「デッドプール3」のはずですが、中身は「3」ではありません。本作でも様々な情報が入り組んでいて、ヒーロー映画はもう完全な単体作品では作られないのかなぁと思ってしまいます。
こういう作品もありだとは思いますが、将来この映画がどう評価されるのかは気になります。10年後に観て、「やっぱり面白い!」と思えるといいですね。
おまけでマーベルネタを3つ
① 今後のMCUの予定
ルッソ兄弟がメガホンをとって、アベンジャーズ第5弾『アベンジャーズ / ドゥームズデイ』(2026年5月全米公開予定)、第6弾『アベンジャーズ / シークレット・ウォーズ』(2027年5月全米公開予定)が製作予定だそうです。
カーンがメインヴィランの『アベンジャーズ / ザカーンダイナスティ』は、ジョナサン・メジャーズのDV問題で製作中止。替わりに、なんとロバート・ダウニー・Jrがドクター・ドゥームというヴィランで、MCUに復帰するそうです。
そんなのありなのか!?
さてMCUは『エンドゲーム』の頃の輝きを取り戻せるのか。期待しましょう。
② 『ブレイド』の新作
「ブレイド」はマハーシャラ・アリを主演に据えてMCUリブート版が進行中です。製作発表から既に5年が経っていますが、トラブルなどて未だ撮影がスタートしていないそうです。
③ ソニーがマーベルの人気キャラクターすべての映画化権を買っていたら
「ソニー・ピクチャーズはマーベルの人気キャラクターすべての映画化権を取得できる可能性があった」そうです。
90年代後半のマーベルは、倒産からマーベル・エンタテインメントとして再スタートしたばかりで資金難だったため、ほぼすべてのマーベルキャラクターの映画化権をパッケージ価格2500万ドルで販売したいと提案があったといいます。しかし当時のソニーは他のキャラクターなどに興味はなく、交渉担当者は会社から「スパイダーマンの契約だけを取りつけてこい」と命じられたそうです。
もしソニーがこの権利を買っていたらMCUは誕生しなかったということになります。アベンジャーズが初めて映画化された時に「無名ヒーローの寄せ集め」と言われていました。マーベルコミックに馴染みがない日本人が「スパイダーマンだけ」と考えるのも無理はありません。
ディズニーは2009年に40億ドルでマーベルを買収していますから、2500万ドルは破格です。今となっては、ソニーはもったいないことをしたなーと思いますが、お陰でMCUが生まれたのですから、これで良かったとも感じます。
いかがだったでしょうか。
ぜひもう一度この映画を観ましょう!
そこにはきっと気付かなかった感覚や楽しさ、新しい発見があると思います。
最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。