当ブログでは皆様の映画選びの一助になる情報と感想をお届けしております。
この記事を読めば、あなたもきっとこの映画を何度も観たくなります。
是非最後までお付き合いください。
では、行きましょう!
●映画『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』の概要
●映画『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』のおもしろさ
●映画『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』の解説
●映画『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』の楽しみ方
●映画『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』の推しポイント!
●映画『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』の惜しい点
<おススメ度>
★★★★ 4.5/5
<ファーストインプレッション>
● シリーズ最高作。シリーズファンなら絶対観ましょう!
● 予算も俳優も一気にメジャー感が増しました。
● 肉弾アクション好きなら見逃す手はありません。『シン・仮面ライダー』がおこちゃまに感じます。
● 現在テレ東系列でやっているテレビドラマ版も楽しい。
<ポジティブ感想>
● エンタメに振り切っているのは好感が持てます。
● 最強の敵を鏡像関係として、主人公コンビが2人でいる意味がテーマとしてしっかり描かれています。
● アクションがさらにパワーアップしています。伊澤彩織はもちろん、髙石あかりのアクションもレベルが上がっています。
● 本作のヴィランを演じた池松壮亮は、驚くべき身体能力と流石の芝居を披露し、強い存在感を残しています。
● 過去作もドラマ版も観てなくても大丈夫です。
<ネガティブ感想>
● メジャー感が上がった代わりに、べびわるの特性は少し減った感じがします。
● 似た境遇の若者同士が殺し合い、体制側の主人公が「粛清」するストーリーは虚しさがあり、シリーズとしての限界を感じました。
感想については、あくまで個人的な見解、考察ですのでご容赦ください。
一部ネタバレを含む表現がありますので、ご注意ください。
『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』はどんな映画なの?
女子の殺し屋コンビのゆるふわコメディと本格アクションのギャップが評判の映画だよ
映画【ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ】の概要
殺し屋女子のコンビのオフビートな日常ギャグとハードアクションを両立させて、人気を博してきた青春バイオレンスエンタテインメント『ベイビーわるきゅーれ』シリーズの第3弾。
時系列では、前作『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』の1年後になります。
本作ではちさととまひろの主人公コンビが、最強の殺し屋と対峙する姿が描かれます。
過去シリーズに引き続き、監督・脚本は阪元裕吾、アクション監督は園村健介が務めます。阪元監督は現在28歳と若手の監督です。
主演は高石あかりと伊澤彩織。共演は池松壮亮、前田敦子 他。
ED曲は女王蜂の『狂詩曲ラプソディ』。
上映時間は112分、レイティングは不明。
映画【ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ】の評価
Filmarks 3.9p
映画com 3.8p
シリーズの固定ファンも増えてきており、かなり高めの評価となっています。
初週の上映館数は175館。
9月27日〜29日の週末映画動員ランキングは11位のスタートでした。
本作のざっくりあらすじです
あらすじ
殺し屋コンビである杉本ちさとと深川まひろの2人は、出張先の宮崎県で早々にミッションをこなし、バカンス気分を満喫していた。ところが、ちさとは今日がまひろの誕生日であることを思い出し、何も用意していないことに焦るのだった。そんな時に次の仕事が入り、2人はターゲットがいる宮崎県庁に向う。チンピラを一人消すだけの簡単な仕事のはずだったが、そこでターゲットに銃を向けている謎の男に出くわす。その男の正体は、あと1人で150人の殺しを達成する最強の殺し屋・冬村かえでだった。かえでと戦うはめになった2人は、これまでで最大のピンチに陥るのだが。
といった感じの筋書きです。
映画【ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ】の解説
シリーズ1作目は『カメラを止めるな!』や今年話題の『侍タイムトリッパー』と同様に池袋シネマ・ロサから口コミなどで話題になった作品です。
このようにインディーズ同様にスタートした本シリーズですが、本作では一気にパワーアップし、メジャー感が出ました。明らかに予算も上がっているのがわかります。
本作では主役級の人気俳優を招き、初の東京以外のストーリーとなっています。
ちさまひコンビのユル〜い日常とハードな本格アクションのギャップが魅力の本シリーズですが、本作は制作費が上がったためもあってか、ユルユル描写よりアクションに力が入っています。
ちさまひのいちゃいちゃシーンも、ダルダル会話も明らかに減っています。でも安心してください。
ユルいちさまひを見たければ、現在放送中のテレビドラマ『ベイビーわるきゅーれ エブリデイ!』を観ましょう。こちらはユルユル描写が多めになっています。
今回は映画とドラマとでテイストをはっきり分けています。
本シリーズは演者ありきの作品で、一種のアイドル映画にもなっています。ちさまひ2人の日常を見ているような、髙石あかりと伊澤彩織の自然体の演技はとても魅力的です。
ベビわるファンには、2人のゆるふわなイチャイチャが“尊い”と思う方も多いんじゃないでしょうか。
映画【ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ】の特徴
本作ではシリアス度が上がり、緊張と緩和の度合いが増しています。かえでは常に真剣でシリアス、且つ人間味に溢れています。
べびわるの世界観ではトーンが違う異分子です。かえではまひろと鏡像関係にあります。
日常描写を減らして新しいことをやろうとしているのを感じます。宮崎県でのロケ、チームプレイでシリーズ過去作とはテイストや構成が変わっています。
『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』はどんなことを描こうとしてるの?
本作は「ひとりじゃない」がテーマになっているよ
映画【ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ】のテーマ
1作目のテーマは「暮らしと殺し」でした。日常の中にある殺し、それが新鮮でした。
本シリーズは、世の中に馴染めない社会不適合者を描く作品です。
ちさまひコンビのゆるふわな会話劇が魅力のシリーズですが、彼女たちはいわゆるZ世代で、他者との競争には興味がなく仕事よりプライベート重視、暑苦しい人間関係も集団行動も苦手、いつでも家にいるのが好き、普通の人が簡単に出来ることが出来ないポンコツです。おまけにまひろは極度のコミュ障です。結局殺し屋しか出来る仕事がなかったという人たち。とても社会に生き辛さを感じています。
彼女たちは殺し屋協会に入っていますが、そこには搾取構造があり、いつまで経っても貧乏です。
コメディの中に今時の若者の悲哀が描かれており、そこに共感性があります。
そんな2人の前に立つ冬村かえでは、向上心はあれど、他人に馴染めなく、ちさまひと同じく社会に生き辛さを感じています。かえでは野良の殺し屋ですが、彼もまた搾取されている側の人間です。
そんな彼は「ちさとに出会わなかったまひろ」です。(「仲間ができなかったルフィ」とも表現されます)
本作は「ひとりじゃない」がテーマ。まひろがかえでと同じように闇落ちしなかったのは、「ちさとに出会えたから」です。2人が一緒にいる意味が今まで以上にテーマとしてしっかり描かれています。
最後には「生きてて良かった」という言葉が出てきます。「ハンカチか銃のどちらを手に取るか」が彼らの生き方を象徴しています。
お約束のクライマックス体術勝負は、シリーズ中最もドラマと結びついていて、タイマンをやる意味がしっかり込められています。
『ベイビーわるきゅーれ』シリーズはアクションに定評があるけど、本作はどうだったの?
長回しを多用したスピード感のある近接アクションを見どころとして、アクションのバリエーションと絶対量が増えているよ
映画【ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ】のアクションについて
近接格闘アクションとガンアクションを組み合わせたハードアクションが特徴となっています。
『キングダム』(2019年)、『るろうに剣心 最終章 The Final / The Beginning』(2021年)、『G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ』(2021年)でスタントダブルを、『ジョン・ウィック:コンセクエンス』(2023年)でスタントパフォーマーを務めた伊澤彩織が主演ということもあり、生身のアクションのレベルが非常に高いです。
過去作では髙石あかり演じるちさとはガンアクション中心でしたが、本作では格闘アクションも量、質とも上がっています。
アクション監督である園村健介による面白味のある格闘アクションも特徴と重なっています。アクションの組み合わせ、工夫、質が高く、本作ではアクションのバリエーションと絶対量が増えています。
カット割りで誤魔化すようなアクションではなく、長回しを多用したスピード感のある近接アクションが中心となっています。
本作では銃撃戦も多めでした。
ガンアクションでは、映画『ジョン・ウィック』で有名になったC.A.R.システムを採用し、連続攻撃や武器を使った攻撃と近接射撃アクションとの組み合わせが豊富に見られます。
本作はシリーズ中、最もアクションでドラマが演出出来ていると感じました。
俳優の演技はどうだったの?
池松壮亮のアクションと存在感が大きかったね
キャストと演技
やはりちさまひコンビのやりとりは、楽しくずっと観ていられます。日常のゆるふわとアクションに突入する時の、2人のオンオフの表情とギャップがいいです。
殺し屋モードの時はしっかりプロの顔になっています。相手には容赦しません。殺しに良心の呵責がないところがドライで、プロらしいです。
過去作は芝居は髙石あかり、アクションは伊澤彩織という役割分担がありましたが、本作では物語の中心にいるのはまひろの方で、伊澤彩織の芝居の量が増えました。
過去作のクライマックスではガンアクションの後に髙石あかりが消え、伊澤彩織とラスボスとのタイマンになるのがシリーズのお約束になっていますが、本作では髙石あかりのアクションの量と質が上がり、クライマックス戦にも大きな見せ場があります。
コメディパートでは、髙石あかりのデフォルメした顔芸にさらに磨きがかかっています。
本作のちさまひの相手である冬村かえでを演じるのは池松壮亮。テレビでも、映画でも活躍している売れっ子です。筆者はこれまでブツブツ話す彼の特徴が少し苦手でしたが、本作の池松壮亮は今までで一番いいです。彼の特質が役にバッチリ合っていました。
役作りが凄いです。間違いなく過去一強い相手に見えます。前作の神村兄弟はどう見ても、ちさまひの脅威には見えませんでしたが、本作のかえでには、サイコな暗殺者としての存在感と説得力がありました。
張り紙だらけの部屋でテントで眠る、上手く生きられない人という危うさが良く演出されていました。こういう特異なキャラクターは、ちょっとおかしい奴という芝居が、コメディになりがちですが、本作ではそうはなっていません。
この役にしっかり体を作って来たのがわかります。速い動きと迫力ある高クオリティのアクションには驚きました。伊澤が「池松さんのスピードについていくのが大変だった」と語っていました。『シン・カメ』がお遊戯に見えます。あれは何だったのかと思います。
今まで苦手だった池松壮亮が、今回少し好きになりました。
さらにメジャー級の前田敦子、テコンドー世界選手権の元日本代表だった大谷主水、現役Youtuber兼俳優のかいばしらやカルマといった個性豊かなキャストが参戦しています。
この映画を観て、どこが良かったの?
3作目にしてメジャー感が出てきて、作品としてのまとまりが良くなっているね
映画【ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ】のポジティブ感想
ストーリーはシンプルで観やすいです。今までの素人臭さが消えて、まとまりが良く、映画としての仕上がりが良くなっていました。
過去作もドラマ版も観てなくても大丈夫。このシリーズを本作から観てもOKな作品になっています。
予算も上がり、過去作に比べてパワーアップしたのを感じます。
なかなかムネアツで、ジーンと来るシーンも多いです。
過去2作とは構成が違います。これまではアクション→ゆるふわ→アクション→ゆるふわ、とシークエンスごとに話が途切れている感じがありましたが、本作ではアクションもゆるふわもストーリーの中の一部になっているので、流れが途切れません。
キャラが魅力的です。本作からの新しいキャラクターもキャラが立っています。
前作の神村兄弟はちさまひコンビと鏡像関係の敵でした。しかし神村兄弟はどうしてもちさまひより強そうには見えませんでした。本作の冬村かえでは強いと思えるキャラクター表現になっており、今回はちさまひが殺されるかもと思えるレベルの脅威になっています。
少しの出演ですが、田坂、宮内の清掃員コンビなどレギュラー組もいいアクセントになっています。宮内のサブマシンガンぶっ放しも恒例になってきました。
因みに、ドラマ版は本作の登場人物が少し出てきます。
殺し屋の世界観が、過去作より少し拡張されています。野良の殺し屋とかアルバイトの下請けの殺し屋という設定は以前にもありましたが、本作ではファームという農協の殺し屋組織が出てきます。
1作目で同居を始めたちさまひ2人の関係性がより深まった感じがします。過去作では必ず喧嘩をしていましたが、今回は仲違いすることがありませんでした。
入鹿やかえでというキャラを置くことで、ちさまひの絆を印象強く描いています。孤独なかえでに対して、ちさとが隣にいてくれるまひろが際立っています。まひろは対立する入鹿とちさとの間に入り、バランサーの役割になっています。
過去作は2人が約束を“破る”、“破らない”の話でした。本作はまひろの「向こうで待ってるからさ。向こうでも遊んでほしいな」という遺言めいた言葉に対して、「まひろさん。そんな約束私はしないよ」とちさとが返します。この台詞のやりとりだけでも、2人の仲が深まっているのを感じます。
本作はチームプレイものになっています。コミュ障を抱えるまひろや入鹿が、なぜ“かえで”にならなかったのかが、シリーズ初のチーム戦という形で表現されます。
ポスターのコピーの「殺しても忘れない」もストーリーの中で意味が語られています。
キャラの成長と俳優の成長がリンクしているのもいいですね。髙石あかりも伊澤彩織も1作目の時はまだまだ無名に近かったですが、どんどん売れっ子になりつつあります。
10月29日には、髙石が2025年度後期のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』の主演を務めることが発表されました。
ホテルでの衣装チェンジも良かったです。ビジュ爆発でした。とてもエレガントで2人の成長が伺えます。
本作はまひろの誕生日の話です。相手に対して感情を表します。仕事に対する責任感、やる気が出てきており、まひろの成長が見れます。
序盤で出てくるハンカチ男児が焼肉屋に現れます。彼のハンカチは本作のテーマにも繋がる重要なアイテムです。彼は最後の焼肉屋のシークエンスで、何も台詞なしでただ後ろの方に映るだけ。筆者は最初、かえでに殺された幽霊かと思いました。
でも本作のテーマを考えると、彼は焼肉屋の息子でハンカチのおかげで命が助かったのだと思います。説明台詞なしで多弁ではないところが、かえって良かったと思います。
残念なポイントもあったの?
シリーズのどれも話の中心が「粛清」ばかりなのは少し限界を感じるね
映画【ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ】のネガティブ感想
本作ではシスターフッドな描写は健在ですが、おちゃらけよりシリアスパートが多めです。ここは賛否が分かれるかも知れません。
ちさまひコンビのゆるゆる描写の割合が過去作より減っています。いつものダルい日常パートを期待していくファンは、少し残念に感じるかも知れません。
本作はシリアス度とバイオレンス描写の比重が上がって、監督の昔の作風に戻って来たという感じがしました。
逆に2人のイチャイチャゆるふわが苦手な人にも、受け入れやすい作品となっています。
池松壮亮演じる冬村かえでの存在感が大きく、キャラが立ちすぎています。ややちさまひコンビを食い気味な程です。
冬村かえでは、良くも悪くも本シリーズのテイストとは違う異質なものが混ざった感じがしました。
殺し屋協会の面倒くささ、社会と同じくルールが厳しく、ちさまひの2人にとってはかなり面倒臭い組織です。
本シリーズは、基本的に殺し屋対殺し屋の話です。殺し屋協会もイヤな組織で、ちさまひのメインとなる仕事は「粛清」です。前作も本作もドラマ版も、「粛清」が彼女たちの任務となっています。
前作も本作もドラマ版もちさまひの役目は「粛清」です(前作は飛んできた火の粉を払った感はありますが)。どの作品も「粛清」が話の中心なっているのには、少し限界を感じます。
多少構成は変えていますが、ほぼ展開のパターンも同じです。ドラマ版前半のクライマックスの殺陣も、目新しさはありませんでした。
本作は野良対組織の構図になっています。言い換えれば、フリーランス(前作はアルバイト)と会社員みたいなものです。主人公たちは体制側にいて、フリーランスを粛清して回るという図式です。
どちらの若者も生き辛さを抱え、搾取されていることに変わりはありません。それなのに「協会に奴は敵だと言われたから」という理由だけで、主人公たちは悪びれることも考えることもなく、キャピキャピしながら無邪気に「粛清」をやり遂げます。
社会に溶け込めずに、搾取されている若者同士に殺し合いをさせるというプロットは、やり切れなさや虚しさを感じます。
ちさまひには、やっぱり本当に悪い奴をやっつけて欲しいと願います。
因みに、本シリーズと世界観が似ている『ジョン・ウィック』シリーズは、体制に反旗を翻す話です。ジョンはかえで側です。
古今東西、民衆が喜んで支持するのは「庶民が体制を懲らしめる」ストーリーです。本作のような体制側にいる主人公が、社会の被害者の様な人を殺す話は、案外珍しいのかも知れません。
過去作ではコンビニやメイド喫茶、ドラマ版では厨房といった日常にある場所が、突如殺し合いの場所になるという面白さがありましたが、本作では日常空間でのアクションはありませんでした(出張先での話なので)。
入鹿が2人に謝罪するシーン。先輩だけが謝るのは少し違和感がありました。ちさまひの2人も誤った方が良かったのでは。
その他の感想
入鹿はいわゆるミレニアル世代、ちさとはZ世代。この2人の喧嘩は世代間ギャップです。この若さでも世代格差があって、言い合いになるんですね。
入鹿が灰原哀、まひろがデスノートのエルに憧れて、今の性格になったというのも面白いエピソードでした。
ちさとの素手に食い込んだナイフを取るシーンがありました。そこまでしっかり見せる映画も少ないですよね。
かえでが車の中で、急ごしらえの仲間と絆を深めようとして、ファームのメンバーに一生懸命話しているのが痛々しかったです。初めての仲間で嬉しかったのでしょうが、相手に全く響いていないところがイタイ。
他にも面白い話はある?
物語の中ではちさとの方が少しだけお姉さん(同学年)なんだけど、実際の俳優は9歳も年齢が離れてるんだよ
こぼれ話
本作はまひろが二十歳の誕生日を迎えるというストーリーです。台詞からは、ちひろの方が先に誕生日を迎えていることがわかります。
髙石あかりは2024年10月現在21歳。伊澤彩織は30歳です。実は伊澤の方がお姉さんで、実は9歳も差があります。そうは見えないので驚き。
2024年10月現在、本シリーズは劇映画とメイキング映画とテレビドラマを同時に上映(放映)しています。
映画の後にテレビドラマを放映したり、テレビドラマの後に続きの映画を上映したりという手法はよく見られますが、3つを同一時期にやるというのは珍しい取り組みだと思います。
本作は宮崎県でロケをしており、宮崎いじりのセリフもありました。
髙石あかりと大谷主水は宮崎県の出身です。
ロケ当時、髙石は実家に宿泊して、実家から現場へ行っていました。他の出演者たちはみんなシーガイアホテルで宿泊し、楽しく過ごしていたそうですが、髙石はそのことを全く知らなかったそうです。舞台あいさつで初めて知り、ショックを受けていました。
宮崎県庁が全面協力しています。県庁内でのアクション。県庁から「庁舎の中で人が死ななければ問題ありません」との言葉をもらっていたこともあり、庁舎内とは思えないほど、キャラクターが自由に大暴れする空間となっています。
この県庁内でのアクションを、坂元監督は『クレヨンしんちゃん ヘンダーランドの大冒険』を元にして作ってほしいと園村監督に依頼したそうです。
終盤の焼肉屋のシークエンスは、朝7時から撮影しています。ラストの髙石、伊澤の涙は2人のガチ泣きだったそうです。あのシーンにはグッと来ました。
ラストに出てくるショートケーキ。ショートケーキは1作目から続く、2人を繋ぐ大事なアイテム。とても印象的だったちさとがケーキにかぶりつくシーン。実は髙石のアドリブだったそうです。判断力、瞬発力が半端ないです。
焼肉屋で酔った入鹿が「神谷浩史・小野大輔のDearGirl〜Stories〜 のドリアン回は神回だ」と言っていました。
「DearGirl〜Stories〜」は人気声優である 神谷浩史と小野大輔がパーソナリティを務める、文化放送で放送されているラジオ番組。2007年から続いており、放送回数は2024年現在で900回を超える長寿番組です。
入鹿の言う「ドリアン回」は2007年放送の第23話です。神谷・小野の2人が放送中にドリアンを切って食べる企画で、異臭により大騒ぎになります。
入鹿は2007年のあの放送を聞いていたんですね。ガチヲタですね。
元々ちさまひの基となるキャラクターは、坂元監督の『ある用務員』に出てきます(ルックは同じですが、キャラとしてはちさまひではありません)。この女子高生殺し屋を拡張させたのが、『ベイビーわるきゅーれ』です。
『ある用務員』では、他の坂元監督作品に出てくる演者が出てくるので、何となく世界観が繋がっているような雰囲気があります。
ドラマ版『ベイビーわるきゅーれ エブリデイ』にも、少し映画のキャラが出てくるので世界観の繋がりを感じます。
映画『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』のおすすめポイントまとめです
映画【ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ】の推しポイントまとめ
監督が「今回がラストでもいいと思って作った」という本作ですが、3作目になっても相変わらずエンタメに振り切っているのは好感が持てます。
人気俳優をゲストに迎え、宮崎ロケで新しさを演出しています。グッとメジャー感が出ました。
孤独で最強な敵であるかえでを鏡像関係として、ちさまひが2人でいる意味がテーマとしてしっかり描かれています。
アクションに定評があるシリーズですが、本作はさらにパワーアップしています。伊澤彩織はもちろん、髙石あかりのアクションもレベルが上がっています。
本作のヴィランを演じた池松壮亮は、驚くべき身体能力と流石の芝居を披露し、強い存在感を残しています。
一方、メジャー感が上がった代わりにべびわるの特性は少し減った感じがします。
似た境遇の若者同士が殺し合い、体制側の主人公が「粛清」するストーリーは、虚しさがあり、シリーズとしての限界を感じました。
もっとちさまひコンビが見たくなります。しばらくはテレビ版で楽しめますが、果たして映画シリーズは続くのかも気になります。出来れば前日譚も作ってほしいです。
いかがだったでしょうか。
ぜひもう一度この映画を観ましょう!
そこにはきっと気付かなかった感覚や楽しさ、新しい発見があると思います。
最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。