映画【十一人の賊軍】〈問題点と残念な所〉作品をもう一度観たくなる解説&感想

十一人の賊軍 : ポスター画像 – 映画.com

当ブログでは皆様の映画選びの一助になる情報と感想をお届けしております。
この記事を読めば、あなたもきっとこの映画を何度も観たくなります
是非最後までお付き合いください。

では、行きましょう!

この記事でわかること

● 映画『十一人の賊軍』の概要
映画『十一人の賊軍』の俳優の残念だったところ
● 映画『十一人の賊軍』のキャラクター設定の問題点
●映画『十一人の賊軍』のネガティブな正直感想
映画『十一人の賊軍』の感想まとめ

感想については、あくまで個人的な見解、考察ですのでご容赦ください。
一部ネタバレを含む表現がありますので、ご注意ください。


こちらではネガティブな内容を中心に扱っています。ポジティブな内容をご希望の方はこちらをご覧ください。
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【十一人の賊軍】の〈作品紹介と良かった所〉については、こちらの記事をご覧ください 

結論!

<おススメ度>
 ★★★☆☆ 3.0/5

<ポジティブ感想>
● 東映集団抗争時代劇を現代に復活させるという目標のもと、昭和の名脚本家 笠原和夫が残したプロット(ストーリーの要約)を現代に蘇らせたというのはアツいです。
豪華な俳優の熱演が素晴らしく、特に仲野太賀の最後の立ち回りが良かったです。
社会的弱者をメンバーにして、ラストまで繋げる展開は良かったです。

<ネガティブ感想>
● 一定の面白さはありますが、不満点の方が多かったです。エンタメとしては中程度といった感じでした。
● プロットは面白いのですが、設定にアラが多く、映画としての仕上がりは今ひとつでした。
キャラクターが深掘りされないので感情移入出来ず、肝心の戦闘シーンもバリエーションや工夫が足りず、面白味に欠けました。
照明や撮影が悪く、画面が暗くて俳優の顔も見えず、誰が何をしているのかわからないシーンが多くてイライラしました。
● 砦と城を入れ替えるカット割りや編集も良くなかったです。
終盤までテンションが上がらず、入り込めませんでした。途中であくびも出ました。

ゴマ

『十一人の賊軍』はどんな映画なの?

こま

罪人が活躍する、史実を基にした時代劇アクションだよ

目次

『十一人の賊軍』の概要

1868年に起こった日本近代史上最大の内戦である戊辰戦争の最中。新政府軍(官軍)と対立する奥羽越列藩同盟(旧幕府軍側)に加入していた新発田藩による、同盟軍への裏切り(=新政府軍への寝返り)の史実を基にした時代劇アクションです。

官軍を足止めするために、侍と10人の罪人が藩の令により決死隊となり、壮絶な戦いに身を投じる姿が描かれます。

『仁義なき戦い』シリーズなどで知られ東映黄金期の礎を築いた名脚本家・笠原和夫が1964年に執筆した幻のプロットを、60年の時を経て映画化した作品。2024年『碁盤斬り』や『極悪女王』(ネットフリックス配信作品 : 製作総指揮)で話題になった白石和彌が監督を務めます。

山田孝之仲野太賀がW主演を務め、その他に尾上右近、鞘師里保、千原せいじ、岡山天音、佐久本宝、野村周平、吉沢悠、西田尚美、玉木宏、阿部サダヲ、音尾琢真、一ノ瀬颯、ゆりやんレトリィバァ、ナダルなどの豪華キャストが共演しています。舞台挨拶は登壇人数が多く、見た目にもとても華やかでした(男性が多かったですが)。

上映時間は155分です。
それほど長さは感じませんでしたが、結構長尺な作品となっています。

レイティングはPG12です。
かなり残虐なシーンはありますが、PG-12程度のゴア描写に収まっています。

『十一人の賊軍』のあらすじ

江戸幕府から明治政府へと政権が移り代わる激動の時代だった1868年、江戸幕府最後の将軍・徳川慶喜を擁する旧幕府軍と、薩摩藩・長州藩を中心とする新政府軍(官軍)の間で戊辰戦争が起こっていた。

旧幕府軍の奥羽越列藩同盟に加わっていた新発田藩(現在の新潟県新発田市)だったが、実は官軍に寝返ることを画策していた。そんな折、同盟軍から執拗に兵を挙げるように要請が来るが、家老の溝口はのらりくらりと誤魔化していた。しかし進行する官軍は、間もなく新発田に迫ろうとしていた。同盟軍と官軍の鉢合わせすれば、城下が戦場になってしまう。最悪の事態を避けるため、溝口は峠の砦で官軍を足止めする作戦を立てる。

砦を守る決死隊として、死罪として捕らえられていた10人の罪人と鷲尾をはじめとした数名の武士が集められる。勝てば無罪放免、負ければ死。多勢の官軍を前に、寄集めの賊軍たちは砦を守り抜き、生きて帰ることができるのか。新発田藩の命運を握る壮絶な戦いが今始まる。

というような筋書きです。

ゴマ

俳優陣は豪華だけど、演技はどうだったの?

こま

演者の皆さんは頑張っていましたが、気になるところも少しあったかな

俳優と演技の残念ポイント

仲野太賀は良い演技でしたが、本作の主役としては、線が細く、貫禄や重みが感じられませんでした。配役としては、仲野と山田は逆の方が良かったと思います。

山田孝之は流石の存在感でしたが、逃げようとするばかりで中盤まであんまり活躍しないのは残念でした。

● 本作には、お笑い芸人が何人か出演しています。悪くはなかったですが、必要は無かったと思います。異質な感じがノイズになるという観客もいるでしょう。

● その他、豪華なキャスティングですが、入江役の野村周平、山縣役の玉木宏も現代的な佇まいで武士には見えません。他の演者も含めて、全体に違和感がありました。

ゴマ

この映画は沢山のキャラクターが出てくるけれど、それぞれ魅力的だったの?

こま

集団抗争劇なのに人間模様に複雑な絡みがなくて、人物描写がスカスカに感じたな

キャラクター造形の問題点

● キャスティングの一部に疑問が残りましたが、キャラの魅力不足はもっと気になりました。

キャラクターが深掘りされず、バックボーンが語られないので、気持ちが乗りませんし、キャラクターが敵に殺されても何も感じません。集団なのに人間模様に複雑な絡みもありません。説明し過ぎなのも問題ですが、省き過ぎて人物描写がスカスカになってしまいます。

例えば、「爺っつぁん」というキャラクターは自藩の長州藩に楯突いていることが終盤でわかりますが、その理由は明かされません(背いていることだけわざわざ台詞で説明している)。そういう背景を少し丁寧に描くだけで人物に深みが出たと思います。

● 政の嫁が何で手籠めにされたのか経緯が全くわからないので、初っ端から気持ちが乗りません。

● 賊軍の主なメンバーは最初から牢屋に既に集合しているので、『七人の侍』や『荒野の七人』のような、メンバーを集めながら紹介をしていくという楽しさはありません。ではどうするかといえば、砦に行く道中でどういう連中か罪状は何かを、会話の中で説明するのです。短いシーンの台詞で、ついでに片付けちゃダメだろうと思います。映画なんだから、ちゃんと画で観せてほしいです。

罪状もほぼ戦闘能力に関係がないものばかり。戦場のスキルとしてはノロ・辻斬・爺っつぁん以外は戦闘に役立つスキルは持っていません。異性絡みの罪状が多いという設定も意味がわかりません。折角色んな罪状でキャラの差別化を図っているのに、それが戦闘=物語に活かされていないのはかなりもったいないと思います。
戦闘に使わなくても、せめて自分のスキルを使って、ずる賢くても生き延びる行動をとってほしかったと感じました。

例えば、盗っ人が錠開けで武器を見つけるとか、こそ泥が闇夜に紛れて敵地に何か仕掛けるとか、天文学者崩れが嵐の日を当てるとか、役者崩れの罪人が敵に化けて敵情を探ってくるとか、韋駄天が敵の目を眩ますとか、いくらでも物語を面白く展開出来るはずですが、そういう工夫が見られないのは残念でした。
本作は戦闘アクションエンタメです。詐欺師が内輪の博打で侍を騙すというシーンがありますが、その能力を戦闘アクションに活かさないと、彼らが集められた意味や説得力が出ません

● 罪人の中にイカサマ師がいますが、「博打のイカサマくらいで死罪になるかな?」という気もしました。つまり賊軍の中に大した罪人がいないのです。極悪人でもないので、面白味が出ません
もっとどうしようもない共感できない連中が、生き残るためにサバイバルに挑戦して、散っていくという方が、笠原和夫が描いたプロットや集団抗争時代劇には合っていたと思います。

● 坊主の引導は戦闘においては何の役にも立っていません。藩の命を賭けた作戦です。たった10人しかいないのに、なぜこんな役立たずを連れてくるのでしょう。しかも「なんまんだぶ」しか唱えられない程度の、まともにお教が読めない坊主です。罪状が女犯というのもつまらないです。ほんとにただの飾りのキャラでしかありませんでした。

キャラ付けのバランスも曖昧でした。例えば、なつは男に裏切られて火付けをするほど激情型の性格です。でも砦では理性的かつ母性的な女性として描かれています。

加奈(家老の娘)は、夫の身を案じて身一つで危険な砦まで来るような、現代的な行動力と愛情に満ちたキャラクターですが、その後は特段の見せ場もなく、自害して終わりという、ただ気の毒な女性としか描けていません。

● 主人公の政は中盤までただただ逃げようとするだけのキャラです。なぜそうさせるのかというと、その行動を伏線にしておいて、最後に逆のことをさせて伏線回収させるためです。あざとく感じてしまいました。

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ゴマ

『十一人の賊軍』に残念なポイントはあったの?

こま

賊軍じゃなくて、家老の溝口を主人公にした方がいい作品になったと思うよ

ネガティブな感想

● エンタメとしては、普通程度の面白さといった感想です。アクションに工夫がなく新鮮味に欠け、全体に大味感がありました。後半までは各見せ場の盛り上がりに欠けました

● 登場人物のバックボーンが語られないので、人物造形や物語に深みがありませんでした。全体的にキャラクターが凡庸です。家老の溝口は『十三人の刺客』の殿様ほどのインパクトはありませんでした。これだけの豪華キャストなのにもったいないと思いました。

● キャラクターの深掘りを省いた割には、上映時間が長いと思います。あと30分は削っていれば、もっと締まっていたと思います。

設定が雑で「そんな事するかな?」と感じることが多く、説得力がありませんでした。

● 全体の空気感が緩く、緊迫感がありません。集団抗争時代劇にあったようなヒリヒリする空気感はありません。戦闘のプロでもない連中がたった十数名で官軍と戦うのですからもっと悲壮感があって然るべきだと思いますが、そういう雰囲気は感じませんでした。
夜になったら見張りも立てず、酒を飲んで、博打をして、踊ります。彼らの息遣いや死ぬ気で戦うという気迫が感じられません
罪人たちに悪人らしさが不足していました。過去の白石作品にあった、辛さに対する踏み込みが足りないと感じました。

● 本作のストーリーでは、中心人物は家老である溝口です。恐らく笠原和夫が描いた本来のプロットは、溝口が主人公だったと思います。
溝口だけが大局で時勢を把握し、それに対処しています。溝口が全てを画策し、彼の掌で全員が転がされているという展開になっています。その他の登場人物は全員が彼の策略に乗らされているだけです。そして溝口は目的を達成します。その結果、娘の悲劇も生まれます。本作の主人公(政や鷲尾)より、余程切なくてドラマチックなキャラクターです。
溝口は目的のために嘘をつきます。殿様にも、同盟軍にも、官軍にも、賊軍たちにも、鷲尾にも、娘の加奈にも、何度も嘘を付きます。かなりくどい設定です。しかも、阿部サダヲが演じているので、嘘に重みがなく、とても軽く見えます。敵を欺くというより、ただ嘘をつき、騙しているだけにしか見えません。その本作の肝である溝口の嘘が、作品の面白味に繋がっていないのはかなり残念でした。
阿部サダヲでは、凛として信念を貫いているようには見えません。あたふたしている印象が強く、切腹シーンの最後もコントオチみたいになっていました。切腹してでも信念を貫くという気概が感じられないので、キャラクターに深みも魅力もありませんヴィランとしての憎たらしさも出ていません
コロリ患者の斬首やピストルを出すシーンに多少の面白味は感じましたが、一方で「そこまでするかなぁ」という気持ちにもなりました。
物語としては溝口を主人公にした方が良かったと思います。なぜなら、存在が大き過ぎてバランスが悪くなっているからです。本作においても、上映時間の半分近くは溝口に絡んだシーンでした。

● 砦と城内が随時入れ替わるカット割りや編集も良くなかったと感じました。

● 画作りがいまいちでした。特に撮影、照明が非常に悪かったです。夜のシーンは画面が暗くて、誰が何をしているのか全然わからず、俳優の表情も判別できないのでかなりイライラしました。自然光を意識して撮っているのかもしれませんが、リアリティとわかりにくいは違うと思います。これでは役者の演技が台無しです。
ライティングで、せめて目だけギラギラしてるとか、横顔はくっきり浮かんでいるとかという演出にしてほしかったです。

● 橋というのは物語を面白く展開する優れた舞台装置になります。過去には橋を使った面白いアクション映画が沢山あります。しかし本作はその舞台装置が活かされていません。本作の吊り橋の攻防シーンでは、少しもハラハラしませんでした。
しかも「橋は落とさずに砦を守る」という条件を提示しておきながら、中盤に差し掛かる前に、吊り橋を爆破してしまいます。落とさないと言ったのなら、終盤まではその条件の中でサスペンスを展開してほしかったです。吊り橋を爆破した時点で、この映画の設定はいい加減なんだと感じてしまいました。

● そもそも官軍と同盟軍を鉢合わせさせないことが目的であれば、官軍を通れないようにすればいいだけです。わざわざ戦って、敵味方の被害を出す必要はありません。峠=砦を通らずとも回り道はあるのです(終盤には官軍は回り道から新発田に入ります)。それなら最初から吊り橋を落として何日か稼げれば、全て丸く収まる話です。元々の設定自体に無理があるのです

● 予算の大半を出演料に回したためか、砦のセットはショボく感じました。砦というよりただの小屋です。山城にしてはスケール感が小さく、舞台空間の狭さを感じました。戦闘で使われる範囲は砦、吊り橋、官軍の陣地だけです。山の地形を活かした、もっとダイナミックな戦闘を繰り広げてほしかったです。

● 地元の者だけが知る地の利や気候などが全く活かされません。例えば、この時期は霧が出やすいから、霧に紛れて敵陣に工作するなどの展開の工夫があっても良かったと思います。
唯一使われていたのは、新潟で石油が出るという設定です。でも「山の上を少し掘ったくらいで、原油が出るものなのか?」、しかも「原油といっても、地下水や不純物と混ざっているので、簡単には発火しないだろうな」と思いながら観ていました。

● 敵も味方も作戦らしい作戦がありません。人数が少ないんですから、頭を使って工夫して足止めするのが普通です。煙を使って目眩ましをして官軍を誘い込むシークエンスがありますが、あんなもの臭いですぐに怪しいとバレます。あまりにも官軍がバカ過ぎます。
役に立っているのは、ほとんど焙烙玉と原油だけです。ノロがいなかったら、初日で降参していたでしょう。しかもどちらもたまたまの産物です。
作劇的にはノロの焙烙玉は、後半で使った方が良かったのではと感じました。

● 原油を敵陣に流して爆発させる戦法は面白いと思いましたが、その後高笑いをしている自分たちも火が襲ってきます。ただのバカです。緊迫感のあるシーンが、コメディ展開で台無しです。
それ以前に、原油による爆発は揮発性なので、引火した時点で賊軍たちも火だるまになるはずです。

血が沢山出ても、首が飛んでも今時はそれだけではテンションは上がりません。どういう背景で、どう撮るのかが問題です。本作には見せ方の工夫が感じられませんでした。
腕が切り落とされるとか、肉片が飛ぶなどというのは、外連味であってリアリティではありません。戦闘方法や武器のバリエーションが少ないのも面白味に欠けました。

音楽は時代劇に合っていないように感じました。ジョン・ウィリアムスを狙ったとのことで、イタリアのオーケストラによって録音されています。エンドロールにオケのメンバーがズラッと出たのでその本気度に驚きました。
音楽は松隈ケンタ。松隈が書く曲は好きです。しかしサウンドが時代劇に合っていたかどうかは別です。少々しつこいと感じました。これは松隈を呼んできた方が悪いような気がします。

音響もうるさく感じるシーンがありました。

● 近頃はモブキャラにスポットを当てた作品も多くなっています。本作も本来ならモブキャラで終わる罪人をメインに据えています。ですが本作の展開では、モブだから死んで当然のような流れになってしまっています。これは本作のテーマに合っていません。
家老の娘だけ気の毒で、後は罪人だし死んでも自業自得という感じに見えてしまいました。なぜなら人物描写が出来ていないからです。
さらに官軍の足軽兵や、最後の立ち回りで切り捨てられる新発田藩の藩士は、ショッカーの戦闘員並みのモブ扱いだったのもテーマに合っておらず気になりました。
罪人たちが生き残ると奮起するものの、結局ヒロイックに死んでいくという結末もテーマと合っていないと感じました。大義のためなら少数の犠牲より多数をとっても許される、という本作の物語は史実に基づいているとはいえ現代に合っているのかどうかは疑問です。(溝口が苦しむのは娘が死んだという事実だけです)

● コロリ患者の斬首シーンはこの物語に必要なかったと思います。監督がやりたかっただけでしょう。ここもテーマに合っていないと感じます。斬首シーンは病人なら理解されやすいだろうという思惑が、透けて見えるのも気持ちがよくないです。

● 入江(家老の娘婿)にも違和感がありました。腹心とはいえ、娘婿を決死覚悟の砦に出すというは不自然でしたし、味方の藩士を後ろから刺し殺すというのも有り得ない展開だろうと感じました。(しかも荒井はそこまで悪くない)

1人逃げたら全員死罪という縛りもかなりいい加減な設定です。全員他のメンバーのことなどどうでもよいと考える罪人たちです。「1人逃げる → 残りは死罪となるルール → 残りのメンバーは誰も言うことを聞かなくなる → 藩の目的は果たせない」、ということになるだけです。こんなことで人は騙されません。少し考えればわかります。

● 罪人たちは砦に行くまでは縄に繋がれていますが、行ってしまえば夜になっても縄はなし。逃げてもいいよと言わんばかりの自由度です。

ナレーションは時代劇に合っていないと感じました。

ゴマ

映画『十一人の賊軍』の感想まとめです

映画『十一人の賊軍』の感想ポイントまとめ

東映集団抗争時代劇を新たなステージで展開するという目標のもと、昭和の名脚本家 笠原和夫が残したプロットを現代に蘇らせたというのはアツいです。

● 豪華な俳優の熱演が素晴らしく、特に仲野太賀の最後の立ち回りが良かったです。

社会的弱者をメンバーにして、ラストまで繋げる展開は良かったです。

● 一定の面白さはありますが、不満点の方が多かったです。エンタメとしては中程度といった感じでした。

● プロットは面白いのですが、設定にアラが多く、映画としての仕上がりは今ひとつでした。細かい所を挙げたら切りが無い程です。

キャラクターが深掘りされないので感情移入出来ず、肝心の戦闘シーンもバリエーションや工夫が足りず、面白味に欠けました。

照明や撮影が悪く、画面が暗くて俳優の顔も見えず、誰が何をしているのかわからないシーンが多くてイライラしました。

● 砦と城を随時入れ替えるカット割りや編集も良くなかったです。

終盤までテンションが上がらず、入り込めませんでした。途中であくびも出ました。やや引いて、冷めた目で観ていた自分がいました。

● これは東映集団抗争時代劇とはいえ、政・鷲尾・溝口と主演が複数いて、結局誰の視点なのか絞りきれていないことで、まとまりがない作品になっていると感じました。

是非、本作をもう一度観て、確かめてください。

いかがだったでしょうか。
ぜひもう一度この映画を観ましょう!
そこにはきっと気付かなかった感覚や楽しさ、新しい発見があると思います。
最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。

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